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「巨人の星」の作品詳細

巨人の星 作品詳細

戦争で肩を壊した元巨人軍の星一徹は、息子の飛雄馬を巨人軍に入れようと躍起になっていた。だが、日が暮れても特訓を行う星親子に心ない野次が飛ぶ。激怒した飛雄馬は華々しい長嶋茂雄の入団会見に乱入し、父の編み出した“魔送球”で監督の川上を驚かせる。

声の出演
(星飛雄馬)古谷徹
(星一徹)加藤精三
(星明子)白石冬美
(伴宙太)八奈見乗児
(花形満)井上真樹夫
(左門豊作)兼本新吾
(アームストロング・オズマ)小林清志
(川上哲治)星野充昭

原作
梶原一騎
川崎のぼる

アニメーション制作
東京ムービー
よみうりテレビ

音楽 渡辺岳夫
作画監督 楠部大吉郎
(ユーネクストより)

巨人の星 各話あらすじ

#1 めざせ栄光の星
世間が長嶋茂雄の巨人軍入団に湧いている頃、雪が降っているのに星一徹と飛雄馬親子が300球の投げ込みをしていた。貧乏人が長嶋のようなスターを目指しても無駄だとからかう酔っ払いに、飛雄馬は魔送球を投げる。

#2 悪魔のギブス
赤川が同級生をいじめているのを見た飛雄馬は、石を投げて退散させる。父・一徹は人前で野球の腕前を見せてはいけないと言い、強力なバネで全身の自由を奪う「大リーグボール養成ギブス」を作り、飛雄馬に装着する。

#3 王貞治との対決
甲子園の英雄・王貞治の練習を見ていた飛雄馬は、花形率いるブラックシャドーズとのグラウンドの取りあいに遭遇。飛雄馬は王のために体を張ってグラウンドを守ろうとするが、争いを好まない王は去ってしまう。

#4 死のノックアウト打法
ドングリーズで外野を守る飛雄馬の所に、花形たちがやってきてからかう。無視する飛雄馬に花形は「面白いものを見せてやる」と言い、ベーブ・ルースを真似た予告打ちを披露し、三塁と一塁ベースが宙に舞う。

#5 幻のスイッチピッチャー
腕相撲自慢の矢本は、剣山を置いて腕相撲をする。危険な剣山を飛ばした飛雄馬を生意気と言い、勝負を挑むも惨敗。悔しさで小石を蹴るが、これが看板に当たり、看板は止まっていた乳母車を下り坂に押し出してしまう。

#6 超人ランナー
飛雄馬のクラスに、ハワイスクールから足の速い渚ノリヒコが転校してきた。飛雄馬に何かと反抗的な態度を示す渚の父は、かつてプロ球団・イーグルスに在籍し、「殺人スチール」でプロ野球界を追われた渚走兵だった。

#7 虚栄のボール
銭湯帰りの飛雄馬が車にひかれそうになり、その車から降りて来た人物が突然ボールを投げつけた。怒る飛雄馬に単なるテストだと言い、車に乗るよう言う男は、一徹の仕事場である日高重工業の社長・日高進吾だった。

#8 もえろライバル
中学3年生になった飛雄馬は高校進学か就職かの岐路に立たされる。一方、ライバルの花形満は、すでに紅洋高校の野球部で活躍していた。飛雄馬はランニング中の花形に遭遇し、「甲子園で会おう」と言われる。

#9 真実へのピッチング
飛雄馬は坂道で苦労する荷車引きのおばさんを手伝い、100円の駄賃をもらう。後日、飛雄馬のクラスで先生の謝恩会の贈り物を買うことになり、1人100円を集めるが、飛雄馬は100円を持っていないとうそをつく。

#10 日本一の日雇人夫(ビデオ版題名:日本一の父一徹)
花形はスポーツカーで明子の勤めるガソリンスタンドに来て、飛雄馬がどこの高校に通うのか尋ねるが、まだ志望校を決めかねていた。そんな飛雄馬に一徹は、青雲高校で団体競技としての野球を学ぶよう言い渡す。

#11 青雲のせまき門
青雲のPTA会長・伴大造は「日雇い人夫の子供をわが校に入れるわけにはいかない」と言い放つ。一方、野球部の練習を見学していた飛雄馬は、足元にボールが転がってきたためホームのキャッチャーへ返球するが…。

#12 鬼の応援団長伴宙太
青雲高校に入学し、野球部に入った飛雄馬。顧問の天野先生はPTA会長の息子・伴宙太の言いなりだった。新入部員はグラウンド50周を命じられ、倒れる部員に水を与えることも許可しない伴に飛雄馬は怒りを露わにする。

#13 根性のうさぎとび
伴宙太は青雲高校の英雄は自分1人だとし、飛雄馬など潰してやると執拗なしごきを続けていた。そんな横暴さに先輩たちが不満を覚え始めるなか、伴は飛雄馬にうさぎ跳びでのダイヤモンド1周を指示する。

#14 あざだらけのミット
野球は厳しく、かつ神聖なものだとし、伴の技術コーチ就任を反対する飛雄馬に、伴はピッチング対決を申し出た。伴の球を飛雄馬が受け、飛雄馬の球を伴が受けるのだ。そして飛雄馬の球が伴の体めがけてうなり…。

#15 嵐のマウンド
野球部に入った伴は、柔道部にはド根性を残してきたのだと言う。柔道部の対抗試合も見ず、惨敗という結果を聞いても自分は野球部の人間だと取りあおうとしないため、飛雄馬は柔道部員から伴を返してくれと頼まれる。

#16 早すぎた登ばん
花形のいる紅洋高校が青雲の野球部に対抗試合を申し込み、燃える伴を、飛雄馬は自分たちは補欠に過ぎないと制する。伴は素直に謝ってきたが、宿命のライバル・花形と対戦できない悔しさは、飛雄馬も同じだった。

#17 宿命の対決
8回裏、3対1で紅洋高校がリード。ワンアウト、ランナー1、2塁、ピッチャーは飛雄馬でバッターは花形だ。捕手・伴の未熟さが露呈してピンチが続くなか、三塁ランナーがホームスチールを狙い、リードが大きくなる。

#18 一番恐ろしい敵
新聞部の野球部特集号で、学園中が飛雄馬の活躍に大騒ぎするが、ほかの野球部員は面白くない。飛雄馬は伴の家に招待され、ごちそうを振る舞われていい気分だが、一徹はそんな浮かれた息子を一喝する。

#19 狙われた左腕
長屋の裏で投球練習をする星親子。一徹が土管でやると言い、飛雄馬はうなずく。飛雄馬の全力投球は、3列に並ぶ土管の穴を見事に縫ってミットに収まった。一度や二度ではなく、何度も正確にこなすのだった。

#20 のこりかす監督
伴大造社長はご満悦。星飛雄馬という逸材が入部し、息子・宙太がその相棒だからだ。おべっか使いの重役を引き連れ、大造は青雲の練習試合の見学にきたが、試合は青雲が劣勢。大造は星と伴にバッテリーを交代させる。

#21 テストされる星監督
遊園地で遊ぶ星親子だが、飛雄馬は不満そうだった。父親が監督の野球部なんて、人が色目で見るに決まっている。そんな飛雄馬は一徹に鬼の的当てを誘われ、幼い頃、一徹に煙草のお使いを頼まれた時のことを思い出す。

#22 拒否された特訓
山寺の階段を何度も往復、街中をうさぎ跳び、校内のゴミを埋める穴掘り、さらにゴミ捨て作業までさせられ、ボールすら握らせない一徹監督の練習に野球部員の不満が募る。そこで飛雄馬が一徹に進言するが…。

#23 スケッチブックの秘密
体育の授業でバスケを行い、牧場という生徒が飛雄馬のチームに入る。飛雄馬は役に立たない牧場を“ウンチ”=運動音痴と罵倒する。そして、飛雄馬の強いパスを受け損ねた牧場がその場に倒れ込んでしまった。

#24 謎のへそ作戦
レギュラー対補欠の紅白戦。小宮と飛雄馬のエースの座が懸かっており、部員は、一徹が飛雄馬をエースにするためのなれあいの試合だと思う。しかし、一徹はレギュラーチームを率い、飛雄馬を打ち崩すと豪語する。

#25 汗と涙の背番号1
紅白試合で赤組・一徹のへそ作戦に連打を浴びて膝を落とす飛雄馬は、自分を潰してでも部員の人気がほしいのかと一徹への怒りに燃える。一徹の真意を測りかねるなか、白組・天野監督がタイムをかけた。

#26 栄光への第一戦
甲子園出場が懸かった地区予選が始まり、ライバルの花形や左門が連日、新聞を賑わせていた。青雲高校の初戦の相手は、前年度の東京代表・帝都学園に決定。名キャプテン・桂木が率いる強豪校だ。

#27 迷いの失投
地区予選の第2試合は、青雲高校が11対0の大量リードでコールドゲーム目前だった。関東高校はワンアウトで5番打者の打順を迎えた。投手はもちろん飛雄馬で、伴が出したサインは内角攻めだったが…。

#28 根性の延長戦
飛雄馬の活躍が連日報じられていた。天才と評した新聞に、一徹は努力の結果だと言う。明子は、地区予選準決勝の旭高校戦の観戦に球場を訪れる。隣の席には旭高校応援団のような老人が座っていた。

#29 泥だらけの決勝戦
地区予選決勝の朝。伴大造主催の祝勝会で食べ過ぎた野球部員たちは、飛雄馬と宙太以外の全員が下痢で倒れてしまう。上杉先生は天野先生と2人きりになると、大会本部に出場停止を申し入れるよう勧めるが…。

#30 山から来た挑戦者
甲子園大会まであと10日。野球部は強化合宿のため伊豆の南禅寺に来ていた。初日のグラウンド整備が終わって風呂を焚いていると、まき運びをしていた光田が消え、ボロボロに傷ついて倒れている姿で見つかる。

#31 とび込んできた浪速っ子
練習を終えた部員が戻ると、合宿所では洗濯、風呂、食事の用意の全てを誰かが済ませていた。その時、部員たちは笛で玄関に呼ばれる。そこには見知らぬ男がいて、スパイクを片付けろと言うと、勝手に中に入っていく。

#32 一本足のホームラン
甲子園大会地区予選は、残るは福岡、神奈川、北海道の各代表校のみ。天野監督は、飛雄馬と伴の2人を神奈川県大会の決勝戦の偵察に向かわせる。一方、花形は、翌日の決勝での飛雄馬との対決に心躍らせていたが…。

#33 甲子園へのVサイン
合宿を終えた野球部は、翌日甲子園に出発する。打ち合わせを終えて帰宅する部員の青木を、母親が迎えにきていた。親子の会話を聞いた飛雄馬は、「苦労した母にとって野球とは憎むべき存在のはず」と母を思い出す。

#34 甲子園大会開幕
ついに飛雄馬が甲子園の土を踏む。1回戦の相手は前年度の優勝校で愛知県代表・三河高校だったが、青雲ナインは落ち込んではいない。優勝校だろうと、最初から花形や左門と当たるよりはありがたいと飛雄馬も思った。

#35 魔球対豪速球
甲子園大会初日の第3試合。青雲高校対三河高校戦は、魔球の太刀川対豪速球の星の対決だ。前年度優勝校の名誉に懸けて負けられない太刀川。飛雄馬もまたライバル・花形の見守るなか、負けるわけにはいかない。

#36 悲運の強打者
第2戦を前に、雨天練習のため虹ヶ丘高校の体育館を借りる。そこは元女子高で圧倒的に女子が多かった。青雲の2倍はあろうという巨大な体育館には、甲子園を湧かせる飛雄馬を一目見ようと多くの女生徒が集まっていた。

#37 執念の男・左門
漫画家志望の同級生・牧場が宿舎を訪ね、洗濯したユニフォームを干す旅館を見てスケッチを始めた。そのユニフォームは次の対戦相手・熊本農林の物で、牧場の行動を怪しんだ熊本農林は彼をスパイと思い捕まえる。

#38 涙のストライク
甲子園大会の準決勝。青雲対熊本農林の2回表、注目の飛雄馬と左門の初対戦を迎え、突如として飛雄馬のコントロールが乱れ始める。その原因は、前夜、牧場より聞いた左門の壮絶な生い立ちにあった。

#39 雨の中の闘志
甲子園大会決勝戦の朝、宿舎の雨戸を開けて飛雄馬が空を見上げる。準決勝で左門の折れたバットをたたき落とし、左手親指の爪を割ってしまった飛雄馬は、1日でも2日でも試合が延期してほしいと願っていた。

#40 血ぞめの決勝戦
昨日の雨がうそのように晴れ渡った甲子園球場で、紅洋対青雲の決勝戦が行われる。球場には、巨人軍の藤田投手コーチ、荒川打撃コーチも観戦に訪れていた。けがが完治しないまま登板を迎える飛雄馬だったが…。

#41 よみがえれ飛雄馬
甲子園大会の決勝戦は、花形のサヨナラホームランで紅洋高校が優勝した。花形は、飛雄馬に勝った記念としてホームランボールを観客から譲り受けるが、そのボールは血で染まっていて、これを見た彼は全てを悟る。

#42 怒りのやみうち事件
伴大造が怒っている。伴自動車工業なくして青雲高校はあり得ないと言い、その青雲が商売敵・花形モータースの息子が率いる紅洋高校に負けたのだ。自分に恥をかかせたも同然だと、野球部の解散を言い渡すのだった。

#43 友情のやみなべ
教頭が、昨夜、伴大造が自宅前で暴漢に襲われたと語り、野球部解散を恨んだ野球部員の誰かの犯行だと決めつける。宙太は目を合わそうとしない飛雄馬に、「親友の俺に何か言うことはないのか」と問うが…。

#44 みがわり退学
飛雄馬は、伴大造が襲われた日、野球部の解散を憤った長屋の人たちの中に、かつて「隼の源」と呼ばれ、元ヤクザだが正義感が強く、今は堅気に戻った大工の源がいたのが気になっていた。夜、源の部屋を覗くと…。

#45 失われた目標
友人・牧場の身代わりに退学届を提出した飛雄馬。これを知った部員たちは、やはり犯人は飛雄馬だったかと納得する。罪を認めず黙って逃げ出した飛雄馬を卑怯者と思う伴は不機嫌だ。そんな伴を牧場が呼び出す。

#46 川上監督へのおくりもの
花形邸にマスコミが殺到。取材攻勢のなか、花形は甲子園にはもっと素晴らしい金の卵が隠れている、と星飛雄馬を挙げるが記者たちは失笑する。けがのことを口止めされている花形は、何とか飛雄馬を援護するが…。

#47 押しかけた十一球団
早朝の高速道路で始まった数台のカーチェイスは、長屋に突入して停止。東都スポーツが五段抜きで、甲子園での飛雄馬の負傷を掲載し、それを知った各球団の飛雄馬への評価が変わってスカウトが押しかけてきたのだ。

#48 父・一徹のスパイク
巨人軍の入団テストの朝、明子は飛雄馬に巨人軍は身だしなみにも厳しいと言い、きれいに洗濯したユニフォームを差し出した。一徹は、1足のズック製の古いスパイクを渡す。それは一徹の思い出のスパイクだった。

#49 燃えあがる入団テスト
巨人軍の入団テストには、若年から老年まで単なる野球好きが集まっていた。だが、飛雄馬は父・一徹のスパイクを見て初心を取り戻し、気を引き締める。すると、人混みに知った顔を見つける。それは伴宙太だった。

#50 堀内に挑むライバル
巨人軍新人テストで第2次審査を通過したのは、47番・星、48番・伴、52番・速水の3名。第3次審査は打撃テストで、9球のストライクのうち3安打が合格ラインだが、投手志望の飛雄馬は打撃は得意ではなかった。

#51 二度目の魔送球
実力を見せつける堀内。そして、振り遅れでファールになった飛雄馬の打球を正確に堀内に打ち返した者がいた。それは花形。派手な登場の花形に、ますます甲子園球児へライバル心を燃やす堀内が投球動作に入るが…。

#52 栄光の背番号16
幼い頃からの夢だった巨人入りを果たした飛雄馬。押し寄せる記者団に気づいた飛雄馬と伴は、タクシーで逃げ出す。そして貧しくとも夢を見て育った長屋に到着すると、みんながおめでとうと言って出迎えてくれた。

#53 花形・左門の入団決定
飛雄馬の巨人軍入団が新聞を賑わせるなか、高校野球選抜チームのハワイ遠征に青雲の伴宙太が選ばれる。天野先生はこれを機会に野球部の復活を提案。一方PTA会長・伴大造は、宙太の巨人入りを聞いて激怒する。

#54 ゆけ、多摩川グラウンド
伴が参加する高校野球選抜チームのハワイ遠征。第1戦は13対4の大差で勝ち、飛雄馬はやる気を刺激される。飛雄馬が巨人の二軍の練習に初参加するその日、父・一徹は、珍しくタクシーを用意して合宿所まで送ると言う。

#55 王・長嶋への挑戦
合宿2日目。同室の大内山は飛雄馬に、合宿所の起床と就寝時間の設定や外出の自由などが、他球団に比べて緩やかだと言うが、自由だからとのんびりする者は、王者・巨人軍の練習に参加する資格はないと忠告する。

#56 無視された左腕
ONを完封した飛雄馬。しかし、投手陣が火の車だというのに、飛雄馬が夢見る一軍から声がかからない。一方、スライディング練習で褒められた速水は一歩リードを確信し、悩む飛雄馬をさらなる孤立へと追い込んでいく。

#57 王・長嶋涙の教訓
巨人の優勝が懸かった大洋戦は、新人・倉木の健闘で9回まで大洋がリード。倉木はプロ入り後2年間の二軍生活を経ての登板だった。飛雄馬は、いつしか自分と重ね合わせ、敵であるはずの倉木を応援していた。

#58 消えゆく先輩
倒れても倒れても立ち上がり、千本ノックを受ける飛雄馬の姿を前に、先輩・大内山は退団を決意。入団して2年、自分はこの世界に向いていないと夜中に部屋を出て行こうとし、制する飛雄馬に自身の昔話を始める

#59 血みどろの千本ノック
今日も多摩川グラウンドでしごかれている飛雄馬。ライバル意識が強い速水の策略もあってボロボロの状態だ。そんな飛雄馬をハワイ遠征から戻った伴宙太が出迎える。久しぶりの再会に、2人は友情を確かめあう。

#60 ばか正直の飛雄馬
突然、飛雄馬の部屋へ速水が荷物を運び込む。大内山の後釜として同室になったのだ。甲子園の英雄にはご不満でしょうがと言う速水に、飛雄馬は冗談はやめろと言い返すが、速水は改めて宣戦布告をする。

#61 飛雄馬の初月給
オリンピックボーイの速水は自慢の足を生かしてオープン戦で大活躍し、大きく報道された。一方、飛雄馬は落球したことを「人間としての正しさは、勝負の世界では通用しない甘っちょろさなのか」と後悔していた。

#62 はじめての勝利
阪神の入団発表の席で、花形は打倒巨人の意気込みを聞かれ、あくまで甲子園の借りを返すと宣言。飛雄馬を低く評価する記者に、「冬の青麦のように、踏まれるほどに強くたくましくなるのが飛雄馬の恐さだ」と語った。

#63 限りなき前進の誓い
飛雄馬は東映戦で完封勝利を飾るが、速水は早くもマンションへの引っ越しを宣言し、一軍風を吹かす。ライバルの花形、左門を思い、飛雄馬は部屋を飛び出して練習に向かう。そんな姿を見て、速水も少し焦りを覚え…。

#64 雪玉のひみつ
日本アルプスの雪山に飛雄馬の姿があった。飛雄馬は自らに、死にこだわるな、死にとらわれるな、今は前進あるのみと言い聞かせ、雪山の特訓を開始。そんなある日、孤独な雪山暮らしを続ける飛雄馬の前に伴が現れた。

#65 盗まれたスコアーブック
本塁打配給王の悪夢に悩む飛雄馬のもとに朗報が舞い込む。伴宙太がようやく二軍合宿所にやってきたのだ。親友の到着を素直に喜ぶ飛雄馬。伴は背番号119のユニフォームを受け取って上機嫌だったが…。

#66 金田投手のアドバイス
台湾に向かう飛行機の中、飛雄馬は見送りの人たちの中に父・一徹の姿を探す。だが一徹は、飛雄馬を信じて陰から見送る。そんな父に飛雄馬は、自らの独立の時を知り、その高揚と恐怖にひとり耐えるのだった。

#67 落日の中の胴上げ
「ワシのために、みんなの練習の邪魔はできん」と飛雄馬にプロの男気を示した金田が、けがのため日本に帰国する。飛雄馬の苦悩を知る金田は、何かのヒントにでもなればと国鉄時代の対巨人用のデータをくれた。

#68 おそるべき予言
紅白戦で主力打者を1安打完封に抑えた飛雄馬。活躍を新聞で報じられたが、花形は家人に聞かれ、「素晴らしい投手だった」と過去形を使う。その花形がテレビのスポーツコーナーに左門、金田と共に出演する。

#69 つかみとられたホームラン
後楽園球場の巨人対阪神は7回表、ノーアウト、ランナー二塁。川上監督は飛雄馬をリリーフに送る。飛雄馬の状態を知る金田が制止しようとするが、川上は全てを知った上であえて飛雄馬に試練を与えようとしていた。

#70 左門の予告ホームラン
ペナントレース開幕戦は巨人対大洋。巨人の金田はいきなり満塁本塁打を浴びる。先発に左門の名はないが、押せ押せムードの大洋は、打撃戦に持ち込んで飛雄馬を引っ張り出し、代打・左門を告げた。

#71 かえれ不死鳥
勝負に負けた飛雄馬は、街頭テレビで花形のインタビューに見入る。花形が「星は一層手強い好敵手になって戻ってくる」と力説するのを見て、飛雄馬は逃げるように街を出た。翌朝、伴が星家を訪れる。

#72 めかくしのバッター
この1週間、伴は飛雄馬を心配するあまり練習に身が入らない。バスの中でも逃げ出したやつなど忘れろと周りから言われるが、星はそんなやつじゃないと反論。その時、視界を何者かがよぎり、伴はバスを飛び降りた。

#73 謎の特訓
伴と共にボクシングジムを訪れた飛雄馬は、「ここに足りない訓練がある」と言う。トレーナーに運動神経を褒められた飛雄馬は、投手の可能性を懸け、リング上のプロボクサーとのスパーリングを申し出た。

#74 一徹の見た幻
頼れる投手が堀内だけという状況で迎えた大洋戦。一軍は昨年の優勝がうそのように苦しむ。駄目押しの一打を放った左門を見て、二軍の先輩が飛雄馬に嫌味を言うが、「今の星は違う」と伴はかばう。

#75 大リーグボール誕生
新変化球を熟成していた星と伴は、ついに川上監督からの一軍昇格の連絡を受ける。巨人は、大洋との3連戦で二軍出の倉田投手の活躍で連敗を止めたが、続く中日に負け越してしまう。だが、ONは余裕の表情を見せた。

#76 宿敵・花形との対決
飛雄馬の復活、そして魔球誕生を受け、これらを予言していた花形を記者団が直撃。そこで花形は、不敵にも魔球の落とし穴を知っていると語り、巨人対阪神の試合でついに飛雄馬と花形の公式戦初対決が実現する。

#77 花形・捨身の挑戦
阪神戦で1回からリリーフし、ノーヒットを続けている飛雄馬。大リーグボールをここぞという時だけ使うため、本来の豪速球が効いた。9回、迎えた宿敵の花形は、バットを顔の正面に構えて捨て身の作戦に出る。

#78 鬼のグランドキーパー
ダブルヘッダーの第1試合で勝利を挙げた飛雄馬は、第2試合でも勝ち投手になり、一徹にまで記者が取材が押しかける。そして一徹の記事の見出しには、「大リーグボールに伏兵あり!星一徹の予言」とあった。

#79 オールスターのできごと
投票第1位で選出された花形だが、大リーグボール1号に敗れ去ったショックでオールスターを楽しめずにいた。しかし入場セレモニーの際、手にした風船のひもが手に絡んだことで、大リーグボール打倒のヒントを掴む。

#80 魔の鉄バット
オールスター戦で精彩を欠いた花形。ぶざまな走りでバットに駆け寄った姿に、何か秘密があるとにらんだ速水は花形を尾行。そしてたどり着いたのは、花形モータースの下請け工場である杉野自動車組立工場だった。

#81 破竹の九連勝
巨人を追う2位の阪神は大洋と対戦。花形は大リーグボールに敗れたショックから、大スランプに陥っていた。左門は、しょせん金持ちの坊ちゃんの道楽と言い捨てる。ついに花形は代打を送られ交代させられてしまう。

#82 巨人・阪神の死闘
セ・リーグの覇権を懸けた巨人対阪神戦が甲子園球場で始まった。藤本監督は大リーグボールを恐れ、飛雄馬のリリーフ前に試合を決めようと気合を入れる。ベンチスタートの花形は、飛雄馬との対決を直訴するが…。

#83 傷だらけのホームイン
2ゲーム差で迎えた巨人対阪神の首位攻防戦。6対5の巨人リードで迎えた8回裏、阪神の代打・花形は、ツーストライクとなりながら、ベーブ・ルース張りのホームラン予告を披露。この行為が飛雄馬の闘志に火をつけた。

#84 左門の築いた城
複雑な心境の左門。初めて弟妹を球場に呼んだ日に、初めて大リーグボールで倒されてしまった。自分こそ先に大リーグボールを打ちたかった。だが経済上、一度の勝負のためにシーズンを棒に振るわけにいかず…。

#85 根性の門限やぶり
パ・リーグを制覇した阪急の西本監督は、大リーグボール打倒に向け、花形と同じ特訓をしている秘密兵器があると発言。これには、日本シリーズ後はシーズンオフになるため、体を壊しても大丈夫という配慮もあった。

#86 秘密兵器との対決
大リーグボールの改悪と指摘された飛雄馬だが、新大リーグボールの全てを話したわけではない。飛雄馬が言い繕おうとした時、川上監督は「男ならうろたえるな」と一喝。飛雄馬と伴を置いて西宮へ行ってしまった。

#87 片目の大リーガー
カージナルスとの親善野球を前に来日した元大リーガーのジェイムスは、ハワイ遠征で知りあった花形を訪ね、大リーグボールを知る。その後、飛雄馬の前に、やはりハワイで知りあった伴を訪ねてジェイムスが現れる。

#88 野球ロボット・オズマ
後楽園球場にカージナルスを迎えた、世界選手権と銘打たれた日米親善試合の第1戦。軽く勝つつもりでベストメンバーを組んだカージナルス。一方、巨人は彼らを本気にさせ、彼らの野球を学びつつ挑戦する気でいた。

#89 不吉の背番号13
不吉な13を背番号とするアームストロング・オズマは、子供の頃、親からカージナルスに売られ、財力、科学力を駆使して作られた野球ロボットだ。巨人のリードで迎えた八回裏、飛雄馬の完全試合を阻止すべく登場する。

#90 ロボット対人形
オズマとの死闘の末、精魂尽き果てグラウンドに倒れた飛雄馬。人間の限界を超える戦いを演じた息子を褒めたたえる一徹だが、病院に行こうとした明子を止める。父の許しがなければ、弟の見舞いにも行けないのだ。

#91 栄光のピッチング(沢村栄治物語)
5連覇を目指して始動する巨人軍。野球人形として再出発を誓った飛雄馬は焦り、隠れて投球練習を始めるが、球が院長室に飛び込んでしまう。謝罪する飛雄馬に対し、院長は飛雄馬が倒した写真立てを示した。

#92 折り合わぬ契約
オズマの悪夢にうなされる飛雄馬だが、伴の前では態度に出さない。契約更改時期となり、左門は弟妹のため契約金のアップを願い更改せず、花形も2倍アップを要求したと聞いた伴は、契約の判子の盲判を宣言する。

#93 新しい年のはじまり
正月に飛雄馬が長屋に帰ると、明子が一徹に正月ぐらい明るく迎えようと頼んでいた。一徹は飛雄馬に、年棒をつり上げて何に使うつもりだと聞く。人生の目標が野球なのはおかしいと言う飛雄馬に一徹は反発するが…。

#94 飛び立つ星
オーロラ娘の橘ルミと飛雄馬の交際が週刊誌に報じられた。契約未更改の件もあり、世間の飛雄馬への評価は厳しい。ある日、飛雄馬は「自分のグラウンドを見せる」とルミに言われ、テレビ局にやってきた。

#95 手さぐりの青春
明子は飛雄馬と暮らし始めた。伴は、一軍選手でも、実力を認められなければ合宿所暮らしという巨人の不文律を破った飛雄馬の心情を理解していた。そして引っ越し当日、飛雄馬はルミとのデートに出かけてしまう。

#96 水原監督と父一徹
自分勝手をしていたから自主トレが遅れていると記者に思われる飛雄馬だが、ルミと別れてサバサバしており、野球を辞めた父・一徹の分までやると意欲的だ。だが、そんな一徹が中日ドラゴンズから呼び出されていた。

#97 宮崎キャンプでの噂
巨人軍の宮崎キャンプがスタート。思いも新たに野球人生をスタートさせた飛雄馬を、三流芸能記者・立山が狙っていた。なぜなら偶然にも、オーロラ娘の初地方公演がここ宮崎で開催されるからだ。

#98 姉、明子の道
袂を分かったとはいえ、一徹を心配する明子が長屋を訪れた。そこへ近所のヨネおばさんが来て、鉄工所の若旦那との見合いを勧める。話を聞き流しつつ明子は、一徹が見ていたらしい飛雄馬のアルバムを見つけた。

#99 運命の出合
若き英雄の人気は宮崎でもすさまじく、黄色い声援が飛雄馬に集中。あまりの騒がしさに気が散り、飛雄馬は伴からの返球を弾いてしまった。球は観客席の松葉杖の少女に当たってしまい、飛雄馬は少女を病院に運ぶ。

#100 炎の青春
キャンプ恒例の猛練習。一軍選手でも遅れる者は二軍行きと言われる状況で、飛雄馬は絶好調をキープ。生まれて初めての恋が飛雄馬を突き進ませる。練習後、山の診療所までのランニングが今や楽しみになっていた。

#101 美奈のひみつ
日南海岸で飛雄馬は美奈に、野球に全てを捧げ巨人の星だけを見据えてきた人生を語る。そして「男の人生に終着はない。だが、俺は何もかも忘れて君を見ていたい。俺は、猛烈に君が好きだ」と告白するのだが…。

#102 落日の悲しみ
二軍キャンプの紅白戦。マウンド上の飛雄馬は、美奈の病状が心配で試合に集中できない。今にも命の炎を消すかもしれない想い人に「すぐに行くから」と語りかけ、大リーグボールで相手打者を次々と打ち取っていく。

#103 飛雄馬よいづこえ
市内の教会で美奈の葬儀が行われ、訪れた人々が悲しみを露わにしている。参列する飛雄馬と並ぶ伴は、飛雄馬の行動の訳にようやく気づいた。想い人を前に、飛雄馬は楽しかった日々を思い出し、教会を後にする。

#104 おちゆく星
美奈の遺志を引き継ぎ、第2の美奈となり診療所で働きたいと申し入れる飛雄馬だが、死んだ日高君の思い出に浸りたいだけのやつには任せられない、1回や2回の人助けでできる仕事ではないと冷たく断られてしまう。

#105 オズマの執念
明子は野球を捨てようとする飛雄馬を心配し、助けを求めて一徹を訪ねるが、飛雄馬のみならず明子も「二度とこの家の敷居をまたぐな」と突き放されてしまう。一方、飛雄馬は多摩川グラウンドで球拾いを続けていた。

#106 鬼コーチ一徹の誕生
来日したオズマは専属コーチが飛雄馬の父・一徹と聞いて不満を露わにする。一徹はオズマの疑惑を無視して早速打撃練習を始めるが、すぐに練習を中止。そしてオズマを「ばか力だけの選手」とこき下ろした。

#107 大リーグボール打倒ギブス
特訓が続くなか、オズマは明らかに調子を崩していた。しかも一徹が絶えず監視しており、少しでもフォームの狂いを発見すると竹刀で殴りつける。そして、オズマがバットを振るたびに妙な金属音が聞こえた。

#108 絶望のペナントレース
公式戦が開幕し、巨人はアトムズと対戦。今年こそダンプカー「宙太ストロング119」が出せると上機嫌の伴大造だったが、宙太の姿がベンチにない。不機嫌になって変えたチャンネルでは、張り切る花形の姿があった。

#109 飛雄馬立つ!!
花形と左門は昨年以上の活躍を見せるが、昨年の若手三羽がらすも今年は二羽だと言われ、左門も逆転打を打ったのにさえない表情だ。一方、飛雄馬はせめてもの償いにと球拾い、後片付け、宿舎の掃除などをこなす。

#110 燃える千本投球
投球練習を始めた飛雄馬は、伴が驚くほど気合が入っていた。だが、中尾二軍監督は逆にそれが心配だと懸念を示す。中尾は飛雄馬を呼び、かつて東急フライヤーズに彗星のごとく現れた左腕の新人・中原の話を始める。

#111 命がけのキャッチ
飛雄馬の千本投球が続き、伴の左手が腫れ上がる。心配する飛雄馬に心配ないと笑う伴は、正捕手・森の体調不良でその夜の阪神戦に先発出場を果たす。これを見た花形は、やはり飛雄馬は駄目なのかと落胆する。

#112 迷いの二軍戦
球が完全に復調した飛雄馬だが不安を抱えていた。中尾二軍監督も見抜いており、試しにバッターを立たせ大リーグボールを投げるよう指示。飛雄馬は打席で構える打者を見て、都城の紅白戦での乱調が脳裏をかすめる。

#113 大リーグボール復活
不安を抱える飛雄馬を心配した明子は、後楽園へ来て弟の苦しむ姿を見てしまう。打者を打つ気にさせ、構えを前のめりにさせる大リーグボールには絶好のカウント、ワンスリー。すかさず大リーグボールのサインが出た。

#114 見えないスイング
大リーグボールが復活し、飛雄馬の一軍復帰が決定。前年度の活躍もあって大きく報じられ、一徹の耳にも入る。あの苦しみからよくぞ立ち直ったと一徹は涙を流すが、これが飛雄馬のために流す最後の涙だと心に刻んだ。

#115 巨大な敵、父一徹
中日戦を偵察する飛雄馬の前で、オズマは見えないスイングを披露。対大リーグボール用と思われるスイングだが、飛雄馬は意図が理解できない。一方、花形、左門は宿敵を第三者にさらわれる可能性に苦悩していた。

#116 不安の中の四連勝
後楽園の巨人対広島戦。飛雄馬は復活第1戦を完封勝利で飾り、記者団に囲まれている時、中日が3対0で大洋に勝ち、得点は全てオズマのホームランとの結果が届く。そして一徹から飛雄馬へのメッセージが伝えられる。

#117 無気味な予感
甲子園での巨人対阪神戦。阪神の先発は390のシーズン奪三振世界記録を持つ江夏。巨人リードで迎えた8回裏、阪神は4番・田淵がヒットを打って無死満塁。打席には花形が立ち、川上監督は飛雄馬にリリーフを命じた。

#118 吼えろ若獅子
中日対巨人の3連戦を前に、新聞には「血を分けた実の親子、中日グラウンドで激突!」の見出しが躍り、明子は泣いた。花形の打法に不安を募らせた飛雄馬は、川上監督に大リーグボールが敗れる確率は8割だと告げる。

#119 大リーグボールの死
6対1と中日リードで迎えた6回裏、二死満塁で打者はオズマ。リリーフした飛雄馬はカウント、ノースリーから大リーグボールを投げると、オズマはバットをベース上に出し、再び構え直すという花形と同じ打法に出る。

#120 飛雄馬への予告
大リーグボールは一徹の秘策でド真ん中の絶好球と化して死を迎え、「壮絶な父と子の戦い。大リーグボールついに死す」「巨人軍・星選手、オールスター出場辞退か」など、飛雄馬をめぐる新聞各社の報道が過熱する。

#121 泥まみれの背番号16
明子に花形からの花束が届き、飛雄馬は花形が明子に恋をしていると察知。花形と明子が結ばれたなら、自分の野球人生も無駄ではなかった、たったひとつ幸福の花を咲かせたと喜ぶ飛雄馬に、明子の平手打ちが飛んだ。

#122 大リーグボール二号のヒント
全てを失った飛雄馬は、公園で一日じゅう自分の手を見詰めている。心配した明子の連絡で伴が駆けつけると、通行人が飛雄馬を気が触れた人扱いしているのが耳に入る。そしてそこを新聞記者に撮られてしまった。

#123 川上監督の新作戦
飛雄馬と伴は大リーグボール2号の特訓を始めた。川上監督が来ていると二軍寮長の竹宮が呼びに来たが、川上監督は、1号のショックを乗り越えた飛雄馬を褒めながら、「二軍行きを命じていない」と言う。

#124 すばらしい兄・左門
川上監督を怒らせてまで大リーグボール2号の完成を目指す飛雄馬。一徹とオズマへのリベンジため特訓に励み、九分通り完成していた。そんな練習風景を、多摩川土手に止めたタクシーの中から双眼鏡で覗く者がいた。

#125 ズックのボール
飛雄馬と伴は雨で特訓を中止してベンチでテレビを見ていた。大リーグボール2号の正体を知りたがる伴に、飛雄馬は隠すつもりはないが待ってくれと言い、その代わりヒントとなった物を伴に握らせる。

#126 花形と姉、明子
甲子園球場の巨人対阪神戦。9回裏、花形は敬遠の球にバットを出し逆転サヨナラ本塁打を放った。ヒーローインタビューで花形は、二軍落ちした飛雄馬が復活する時こそ恐ろしい、とエールとも取れる発言をする。

#127 テストされる川上監督
中日対アトムズは、3対3で迎えた9回裏、オズマは27号となるサヨナラ本塁打を放つ。王の37本には及ばないが、途中出場でのハイペースに各球団はなす術がなかった。そんななか、一徹に面会の呼び出しがかかる。

#128 必殺の大リーグボール二号
首位巨人と中日の首位攻防戦。無死二塁で3打席目のオズマを迎え、川上監督はリリーフに飛雄馬を指名するが客席からは失望の声。これを受けて川上は飛雄馬に、派手にファンサービスしろ、初球からあの球だと告げる。

#129 一徹の秘策
3回表を終了し後楽園球場は、大リーグボール2号「消える魔球」のためにミステリーゾーンと化していた。その様子はテレビでも中継され、遠征先の花形は、明子への手紙を放り出して画面の前に陣取った。

#130 左門の挑戦
左門が新聞の切り抜きなど飛雄馬の資料を集めていると、妹の千代がふと気づく。それは、飛雄馬が晴れの日しか登板していないこと。一方、明子の所在がわからない悩みのなかでも飛雄馬は6連勝を達成していた。

#131 消える魔球の推理
一徹は、消える魔球ショックでスランプに陥ったオズマを再び特訓。身心共に限界を訴えるオズマに、飛雄馬来訪の知らせが入る。不思議がるオズマに一徹は、お前のポンコツぶりを見に来たのだろうとあおるが…。

#132 天才・花形の敗北
巨人の優勝がかかった阪神戦が甲子園球場で始まった。2回裏、飛雄馬と花形の宿命の対決を迎える。飛雄馬は、花形と約束した通り1球目に縦変化の魔送球を投げ、続いて本当の消える魔球を投じる。

#133 大投手・金田の引退
昭和44年。金田正一は中日戦で前人未到の400勝を達成。胴上げで迎えられたが、記者会見で「年間5勝や10勝では金田ではない」と発言し、引退をほのめかした。心配した飛雄馬は、伴と共に金田邸を訪れる。

#134 狙われた伴宙太
飛雄馬は契約更改の席で、魔球の活躍が認められ2倍アップの提示を受けるが、伴の契約が据え置きと聞いて保留した。飛雄馬は、自分はすでに報われている、今度報われるべきなのは伴だと思っているのだ。

#135 去りゆくオズマ
オズマの帰国が決定し、水原監督は後釜を一徹に一任したとテレビで発言。正月を迎えたホテルでオズマが帰国の準備をしていると、現れた一徹がバットを持って屋上に行けと命じ、オズマが去った後、鞄に何かを詰めた。

#136 親友
伴宙太のトレード話が浮上。大乗り気の大造を無視してきっぱり断る宙太。中日からの使者は一徹の伝言を伝える。甘っちょろい感傷を捨て去った時、休火山は噴火を起こし日本のベーブルースとなるだろう、と。

#137 消える魔球の手がかり
現役選手から監督になった阪神・村山、南海・野村、西鉄・稲尾の新春対談で、阪神の村山新監督は、花形の「4番」を公言。消える魔球対策についても花形なら大丈夫と言う。その頃、花形は村山邸に呼ばれていた。

#138 しごかれる伴宙太
飛雄馬と伴は多摩川で自主トレを開始した。飛雄馬はある意志を固めていた。この練習で中途半端な友情を捨て、新たな門出にするつもりなのだった。飛雄馬は自らピッチャーを買って出て、全員に10球ずつ打たせる。

#139 花形・左門の執念
風邪で寝込んでいた一徹は、中日が伴の獲得を諦め大リーガー獲得に動き出したと知る。球団が大リーガー獲得に乗り出した理由は、オズマからの手紙にあった。だが一徹は、「伴獲得に成算あり」と表明する。

#140 川上監督の決意
水原監督は一徹の説得に折れた。渡米して中古の選手を獲得するより、国内の若手有望選手を獲る方を選んだのだ。絶対に失敗するわけにいかない一徹は、ヨーロッパへ保養旅行中の川上と連絡を取ろうとする。

#141 大リーグボール二号の危機
再び伴のトレード話が新聞をにぎわす。飛雄馬は、一度や二度で一徹が諦めるはずがないと思っており、とにかく消える魔球の秘密が暴かれても、伴がトレードされないように特訓を続けるしかなかった。

#142 ひきさかれた友情
ついに左門が打席に入った。もし打たれれば、宙太との友情は完全に引き裂かれる。一方、急きょパリから帰国した川上監督は報道陣を押しのけ、羽田で中尾二軍監督と話しあい、そこに一徹が現れた。

#143 血涙の別れ
消える魔球は無残に敗れ去った。巨人は早速伴のトレードを決めるが、伴は承諾しない。大造が、冷たい球団など辞めろと言うが、宙太は飛雄馬さえ必要としてくれれば良かった。一方、明子が心配して飛雄馬を訪ねる。

#144 鬼の弟子、伴宙太
グラウンドの外では飛雄馬と親友のままという伴の心情を見抜いている一徹。いくら憎んでいてもチームの一員となれば、同じ目標に向かうのが真の男。同時に、友情を貫こうとする甘さを伴に思い知らせるつもりだった。

#145 はばたけ不死鳥
宮崎球場で始まった巨人軍キャンプで調子の上がらない飛雄馬。父、姉、そして親友までもが彼のもとを去った。全てを失いひとりぼっちになった飛雄馬は、打撃練習でも精彩を欠き、グラウンド10周の罰を受ける。

#146 O.N魔球への挑戦
宮崎キャンプでスピード、コントロール、勢い全て絶好調の仕上がりを見せる飛雄馬を、森捕手や中尾コーチは高く評価。だが、川上監督は「あの球は死んでいる。燃え尽きる直前のろうそくの炎と同じだ」と言い捨てた。

#147 伴の替りにきた投手
オープン戦を前に、黒松圭一は伴が付けていた背番号119に不快感を示すが、川上監督の一喝で引き下がる。中日で昨シーズン10戦1勝3敗の黒松は、飛雄馬に負けているのはバックを守る選手だけだったと豪語する。

#148 グランドの孤独者
サンフランシスコ・ジャイアンツが親善試合のために来日。記者の興味は消える魔球との対決だが、当の大リーガーたちは消える魔球を知らない。説明されても、われわれは火星人と野球をするのかと冗談にしてしまう。

#149 起ち上れ伴!
日米親善試合は、飛雄馬の活躍もあり11対3で巨人が勝利した。その頃、柔道着姿の伴は両手を縛り、土管から受け身せずに飛び降りていた。伴はこの練習の意図がわからないが、魔球打倒の最終段階と聞かされる。

#150 刺客志願
オープン戦で結果を出せなかった伴。飛雄馬は伴が魔球攻略の準備を終えたことを知ると同時に、伴の甘さを見抜いて怒る。俺たちの絆はもう切れている、後は互いに死力を尽くして戦うのみのはずだと飛雄馬は思う。

#151 対決、その前夜
伴は魔球が打たれた後の飛雄馬を思って悩み、左門は見えない球を打つ特訓を終えたが巨人との対戦が中日、阪神の後であるため悩む。一方、花形は一徹の完璧さを知り、チャンスが自分に回らないだろうと悩んでいた。

#152 対決!! 星対伴
開幕前夜、雨の中で巨人軍はミーティングを行う。飛雄馬は、雨天中止を望むと同時に、ベンチ入りはないと思っていたが、川上監督はベンチ入り投手の筆頭に挙げ、驚く飛雄馬に「王者・巨人軍に逃げはない」と告げた。

#153 魔球打たる!
ついに伴との対戦を迎えてしまい、飛雄馬は運命の渦に巻き込まれる小船のように大きく動揺する。3番・高木に代打を送る一徹の大胆な起用に驚く川上監督。長嶋は、無念無想で投げろと飛雄馬にアドバイスを送った。

#154 敗れた鬼
ついに消える魔球がミートされ、崩れ落ちる飛雄馬。打球の行方も見ず歩き出す伴が二塁を回ろうとした時、三塁コーチの一徹が慌てて制止。見れば打球はなんと大きなピッチャーフライで、今度は伴が膝をついた。

#155 花形の奇策
「中日の公約倒れ、謎のサインミス」と新聞の見出しが躍り、一徹と伴のコンビに勝って魔球の寿命は延びた。使い方次第という条件付きだが、消える魔球はまだ生きていると判断した川上監督は飛雄馬に先発を命じる。

#156 大リーグボール2号の敗北
飛雄馬との3回目の対決を迎え、覇気のない花形は心の中で明子に「初恋より男と男の勝負を選んだ男の姿を見ているだろうか」と語りかける。飛雄馬が消える魔球のモーションに入ると、花形の顔に自然と笑みが浮かぶ。

#157 傷だらけの負け犬
消える魔球は死んだ。周りの制止を振り切り、呆然とダッグアウトを歩く飛雄馬は1人で帰京。自分から父も、姉も、親友も、恋人との思い出さえ捨てさせた野球とは何なのか、わからなくなってしまっていた。

#158 女番長、お京
飛雄馬はチンピラと喧嘩をし、新宿の不良少女グループのリーダー・お京を張り倒した。チンピラが加勢し飛雄馬と左門が囲まれてしまい、左門は野球のために頭を下げようとするが、飛雄馬は自ら喧嘩を買って出る。

#159 借りを返せ!
大阪の巨人軍宿舎に新聞記者が詰めかけた。飛雄馬の行方は掴めず、球団代表は球団の品位を保つためにも飛雄馬の追放を示唆するが、川上監督は飛雄馬をかばい、「失踪ではなく2、3日の休養を命じた」と説明する。

#160 左門の恋
中日対大洋は、中日1点リードの9回裏走者一塁で、この日4打数無安打の左門の打席を迎えるが、結局センターフライに倒れる。花形に魔球打倒の先を越されたのが不調の原因と記者は見るが、左門は否定した。

#161 飛雄馬の母
中日対広島戦でサヨナラ本塁打を放ち、大器の片りんを見せ始めた伴。テレビで観ていた飛雄馬は心苦しくなって外に飛び出し、幼い頃、一徹と練習した公園に来ていた。そして、長屋が取り壊されている光景に出くわす。

#162 仕組まれた罠
飛雄馬にお京から「星さん、好きよ」と電話が入る。不思議に思いながらも、変なことに巻き込まれるを嫌って飛雄馬は部屋を出る。そんな飛雄馬は竜巻グループに取り囲まれ、お京さんを見捨てるのかと詰め寄られる。

#163 京子の真心
水原監督に退団届を差し出した一徹は、野球を続ける自信が無くなったと言う。そこへ伴が現れ、どうしても辞めるなら真実を話してもらおう、飛雄馬が再起不能と見てやる気を失ったのだろう、と一徹に詰め寄るが…。

#164 すべてか!ゼロか!
京子の病室には竜巻グループが集まっていた。飛雄馬への想いを募らせる京子は、寝言で飛雄馬を呼んでいたと聞き、「二度と話題にするな」と命じながら、マスコミの手前、決して会っては駄目だと決心する。

#165 友情のファインプレー
花形は父の会社・花形モータースで、「オールスター戦の出場を辞退し、アメリカの業務提携先、デトロイト・モータースが開発中の無公害車を視察してこい」と言われる。つまり、引退して会社を継げと父は言うのだ。

#166 悪夢のオールスター
オールスター第1戦。飛雄馬は消える魔球を連打され、大リーグボール1号も決まらない。伴は飛雄馬の野球への情熱が消えかけていると感じ、一徹は、花形の全力プレイの意味に気づくまでさらし者にされるだろうと言う。

#167 新たなる門出
京子の手紙を読んで再起を決意した飛雄馬は、新たなる日の出を迎えた。舞台を大阪に移してのオールスター戦。移動の新幹線の中で、花形は窓の外を流れる電柱で手刀を切り、飛雄馬を励まそうとする。

#168 大リーグボール3号
飛雄馬が京都で降りたことは推測できた。しかしその直前の様子から、なぜ失踪したのかまではわからず悩む左門。一方、記者たちは、使えなくなった飛雄馬を川上監督が失踪させたのではないかと考えた。

#169 謎のアンダースロー
オールスター第2戦を終え、関西スポーツは飛雄馬と対戦した野村、アルトマン、張本の座談会を設けた。テーマは、「星投手は大リーグボール3号を投げたのか」。球はスローの絶好球だったと3人とも言うが…。

#170 覆面魔球
巨人対大洋戦の守備練習中、左門は考えていた。「自分のバット1本に弟妹の生活が懸かっている、惚れたハレた言っている場合ではない」と自身に言い聞かせるのだが、どんなに強がっていても心は京子を求めてしまう。

#171 かえってきたオズマ
対広島戦。飛雄馬の大リーグボール3号は今や無敵だった。最終回、勝利を目前にした飛雄馬は、かつて感じた殺気混じりの視線を感じる。試合後、ロッカー室前で飛雄馬は再び視線を感じ、そこにオズマの姿を見つけた。

#172 オズマの死
朝もやに包まれる多摩川グラウンド。オズマ対飛雄馬の勝負は3球だ。初球はホップして空振り。2球目はホップを予測して振るも空振り。オズマは1号と同じ系統の魔球と読み、以前1号を打ち崩した打法を試みるが…。

#173 壊れたピッチングマシン
飛雄馬は7連勝を飾り、新聞は「復活!グラウンドの魔術師」と飛雄馬の話題一色だ。花形も打倒魔球に向けて特訓を始めるが、あのスローボールは星本人か機械でないと無理と言われ、父の会社に依頼する。

#174 白い血の秘密
阪神戦で8連勝を飾り、記者たちに囲まれる飛雄馬だが、ノーコメントで去った。取材を受けた花形は、3号は甲子園の血染めのボールを思い出させた。しかも、今度のは目に見えない冷たい白い血を流していると話した。

#175 勝利の若獅子
後楽園球場での広島戦。2対1で迎えた6回表、リリーフで登板する飛雄馬の投球を、一徹はアトムズ戦を休んでまで視察にきた。その後、宿舎で休んでいた伴を一徹が訪ね、大リーグボール3号への対策が決まったと言う。

#176 左門のスピン打法
テレビで試合を観戦していた左門は、寂しげな飛雄馬の表情に「なぜ燃えん」と憤る。不思議がる弟妹たちに、大リーグボール3号打倒へ残された課題を明かし、そんな今、飛雄馬の闘志が気になるのだと左門は言う。

#177 正捕手への道<吉原物語>
中日対ヤクルト戦。先発は星野仙一で、伴は移籍後初のスタメンマスクとなった。張り切る伴に、一徹と水原は亡き吉原正喜の姿をダブらせた。伴は果敢に、キャッチャーフライをフェンスに激突して捕球したが…。

#178 生命を投げる魔球
阪神の宿舎で大リーグボール3号の話題になる。意見を求められた花形は、「3号は変化球ではなく、限界ギリギリのスローボールでしかない」と答える。そんな時、花形に父の秘書から電話が入った。

#179 青白き炎の挑戦状
飛雄馬よ、ついにワシより完全に独立しよった、だが、このままでは引き下がりはせぬぞ、と打倒魔球に燃える一徹。飛雄馬、伴、花形、左門の4人が切磋琢磨してこそプロ野球の発展があると信じるゆえの情熱だった。

#180 覚悟の登板
中日戦を翌日に控え、嵐の中で巨人軍のミーティングが行われた。川上監督は「今季のペナントレースの最後の山」と告げた。医者からもう限界だ、保証はできないと言われた飛雄馬だが、先発を志願する。

#181 決死の完全試合
伴の折ったバットの破片が手の甲に刺さった時、魔球打倒の名案がひらめいた一徹。9回の最終打者を伴にすることを来シーズンの進退を懸けて水原監督に進言し、伴に「9回の打席までベンチで逆立ちしろ」と命じた。

#182 輝け!巨人の星
完全試合まであと1人。偉大な記録を目前にして、球場は異様な興奮に包まれる。そんななか、花形と明子の表情は悲痛にゆがみ、球場に向かう左門もタクシーの中で苦悶する。中日・水原監督は伴を代打に指名した。

 

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